7.解体工事の流れとは?
1.現地調査
- 残す物があるのか、どこまで残すのか?
- 建物の構造と状態(木造か鉄骨造か?必要な養生はあるか?)
- 近隣環境・離れ距離など(迷惑がかかる恐れがあるかなど)
- 搬入ルートの確認(トラックによる搬入・搬出に問題がないか)
- 工事内容の確認
- 境界線の確認
- 地中埋設の確認(浄化槽があるか、基礎の状況は?)
- 整地後の希望(解体後に施主がどのように使うかなど)
特に現場にコンクリートやアスファルト等の舗装を残したり、融雪溝等の蓋がある場合は、適切な養生をしていないと対象物を不用意に壊す恐れがあります。塀や植木なども残す物がある場合は注意が必要です。
2.見積提示
調査で把握した現場の状況を勘案し作成された見積もりを、業者が施主に提示します。解体工事には実際に壊してみなければ分からないという部分もあります。そのために現地調査も丁寧に実施しますが、追加工事が発生する可能性があれば、その点についても見積もり提示の段階で言及しておく必要があります。
3.契約
施主が見積もり内容に了承すれば、次は契約に進みます。契約は見積もり提示日にそのまま実施されることもありますが、最近では見積もり提示日におおよその工期が決められ新たに日程を記載した契約書を作成して契約をのぞむことが多くなってきました。
4.手続き代行
解体業者は工事の始まる7日前には、役所等に解体工事を実施する手続きを施主に代わって代行します。
その他にも必要に応じ、道路使用許可申請なども届け出る場合もあります。
5.近隣挨拶
むかしは近隣挨拶といえば住宅の営業担当が行っていましたが、現在では解体業者が近隣への挨拶を実施するケースが増えています。
5.解体工事中
引込配管、配線撤去手配 解体業者は必要に応じて引込配管、配線撤去の手配を行います。
足場養生設置 離れが詰まった住宅地などで解体工事を行う場合は、現場に防塵ネットの養生を設置します。
分別撤去 建物の解体は、サッシや畳材など手作業で取り外す分別解体から始まります。分別解体の徹底により、この工程は年々長くなっています。
機械による解体、廃材の搬出 ある程度の分別解体撤去が進むと、機械(重機)による解体・搬出が始まります。
最後に基礎コンクリートを撤去すれば、建物の解体は終了します。
6.整地 最後に建物を撤去し、更地になった敷地を機械で整地できたところで解体工事は終了します。
なお一般的な木造住宅の解体工事の期間は、天候にも恵まれていれば1週間か週を跨いで10日、最大でも2週間あれば終了します。
7.解体工事後マニュフェストの作成
マニフェストとは前項でも触れましたが、解体工事で出た廃棄物を適正に処分したことを証明するための伝票です。マニフェストは解体工事中でも適宜作成します。解体業者は工事が終了したら遅滞なく事務整理を済ませましょう。
8.浄化槽の撤去について
古い家屋の解体工事につきものなのが浄化槽の撤去です。
浄化槽は撤去方法には、1)全部撤去、2)埋め戻し、3)埋め殺しの3つの方法があります。
これまでは2)3)の方法も行われていましたが、最近では1)全部撤去がもっとも望ましい方法だといわれています。
これは土地を売った場合に「砂埋め」した浄化槽が敷地に残っていると、値引き要素につながる可能性が高いからです。
また「砂埋め」した浄化槽は、法律の解釈から違法行為に取られる可能性があります。そのことから、自治体によっては、1)全部撤去を推奨するケースが多くなっています。
家庭の使う大きさ(5人槽や7人槽)であれば、追加料金も3万円から5万円の範囲におさまります。浄化槽の撤去は全部撤去を推奨します。